着物をキレイな状態で収納する!7つの保管方法と3つの注意点

状態のよい着物 着物買取の基礎知識

「思い出の着物だから常にキレイな状態を保ちたい」
「着物はどんな風に保管するのがベストなんだろう」

着物は“生き物”と、昔から言われているほど繊細な衣類のため、適当な保管方法だとすぐに傷んでしまいます。
もし着なくなって売りたいと思っても、着物の状態が悪いと買取額が10分の1以下になってしまうケースもあるため、しっかりと保管しておきましょう。
このページでは、着物を傷めない保管方法について詳しく説明していきます。

1.着物をキレイに保管するキホンは「桐箪笥」への収納

桐材にはタンニンという防虫効果のある成分が含まれており、虫食いの原因となる害虫を寄せ付けにくい特徴があります。
また気密性も高く、箪笥内の湿度を一定に保ってくれるので、着物も傷みにくくなるのです。

防湿性があるので桐箪笥を使えばせっかくの着物にカビが生えることもありませんし、防火性も高いので火災が起きた際も中の衣装は燃えずに済む場合が多いです。
基本的に着物の収納であれば和箪笥(衣装箪笥)と呼ばれる型がしわになりにくいためおすすめですね。

また、もし引っ越しする機会が多い場合は、本体が2~3パーツに分かれる整理箪笥(登り箪笥)が持ち運びに便利です。
着物だけでなく、バッグなどの小物類の収納にも使えます。

桐箪笥が高くてムリ!という人はプラスチック製の衣装ケースでも可

着物を収納するプラスチック製の衣装ケースは、65cm×40cm×18cmくらいの寸法のものがオススメ。
着物を三つ折りに畳んで収まるくらいのサイズであり、18cmの深さは袷の着物を5枚入れた場合にぴったりになります。

ただし、プラスチックケースを使う場合は桐箪笥に比べて防湿性・防虫性に劣るので、必ず除湿シートを敷いておくようにしましょう。

ハンガーやダンボール箱を使って保管するのはNG!

ダンボール箱は湿度に弱く、湿気を吸い込みやすい特徴があります。
着物が湿気てしまうとカビ発生の原因にもなるので、ダンボール箱に長期間保存することはあまりおすすめできません。

ハンガーにずっと掛けておくのもNG!
梅雨の時期は外気も湿気るので、カビは生えないまでも着物自体が湿気に晒されて傷んでしまう可能性があります。

また、長期間ハンガーに掛けておくのは型崩れの原因にもなりますので、ハンガーはあくまでも着用後の一時置きとして利用すると良いでしょう。

2.着物は通気性の良い場所に干してから畳んで収納

着物は吸水性・吸湿性のいい素材でできているので、着用時に付着した汗や湿気の影響で縮んでしまう場合があります。
そのため、通気性のいい場所で陰干しをしっかりとして湿気を取り除いておきましょう。
晴れた日に直射日光の当たらない部屋の窓を開け放って、ハンガーラックや衣紋掛けに一晩掛けておくのがいいですね。

しまう際も適当に畳むのではなく「本畳み」と呼ばれる着物独自の畳み方をするとシワになりにくいですよ。

本畳みの手順は、次のとおりです。

  • 前袖が上に来るようにして平らに広げ、下前身ごろの脇縫いを奥に折る
  • おくみを襟肩あきから裾部分まで折り返す
  • 襟の肩山から斜めに中側に折り込み、襟を合わせる
  • 上前脇縫いを下前の脇に重ね、背縫いを折る
  • 左袖を袖付け線から折って、後ろ身ごろの上に重ねる
  • 下側の袖を身ごろの下に折る
  • 身ごろを襟下から二つに折る

一見難しく見えますが、慣れてくるとすんなりできるようになりますよ。

3.着物は「たとう紙」に包んで収納・保管する

たとう紙とは、通気性が高く除湿効果の高い紙で、主に「着物を湿気から守る」「布地にシワをつきにくくする」といった効果があります。

たとう紙は、着物を買った際についてくるものですが、一定量の湿気を吸うと紙が茶色く変色して効力がなくなってしまうんです。
呉服店で1枚100~200円と気軽に買える値段なので、2年を目途に交換しておくといいでしょう。

■たとう紙で着物を包む手順

  1. 着物や帯をたとう紙の中央に置く
  2. 左右の手(たとう紙の一片のこと)を内側に折り、蝶結びか片結びをする
  3. 下の手を折り上げ、上の手を被せる
  4. 紐を蝶結びか片結びする

※紐は結んだ場合に着物に跡がついてしまうこともあるので、結ばなくても大丈夫です。

4.着物を押し入れに収納するときはできるだけ上段に保管する

押し入れは湿気がこもりやすい場所ですが、上段であれば比較的風通しがよくなっています。
押し入れに着物を入れる場合は、価値の高い着物(値段の高い着物)ほど上段に保管するのがおすすめです。

5.着物の収納時には「乾燥剤」と「防虫剤」を必ず入れる

金糸・銀糸使いの着物や帯は化学変化によって変色しやすいです。
防虫剤は必ず着物用のものを使うようにし、着物や帯に直接触れないよう気を付けましょう。

また、防虫剤は数種類併用すると、化学反応が起きて着物にシミがついたり、変色してしまう可能性があります。
防虫剤や乾燥剤は生地に合うものを1種類だけ選ぶようにしましょう。

シリカゲルは防虫剤と併用できますので、乾燥材は100%シリカゲルの製品を選ぶのがおすすめです。
防虫剤も乾燥剤もできれば半年に一度、少なくとも一年に一度は必ず交換してください。

タンク型で水が溜まる乾燥・除湿剤は効果が出にくい

タンク型の乾燥・除湿剤は、吸湿性はある程度あるのですが、着物の保管にはあまり向いていません。
タンク型の乾燥剤は中に塩化カルシウムが入っており、万が一着物にこぼしてしまった場合縮んだり変色したりする可能性があります。
そのため、タンク型の乾燥剤はなるべく避けてシート型やシリカゲル(粒タイプのもの)を使った方が良いでしょう。

6.着物は出さずに箪笥内や押入れの換気も必要

定期的に箪笥や押入れの換気を行うのもカビを防ぐポイントです。
天気のいい日に窓を開け放ち、引き出しや扉をすべて開けて風通しをよくしておくといいでしょう。
虫干しと同じく、日の出ている午前~午後に1時間ほど開けておくと箪笥内の湿気がしっかり飛びます。

7.定期的に虫干しをする

虫干しとは、着物を定期的に箪笥から出して外で干す行為のことです。

虫干しの主な目的は

  • 風通しを良くして湿気をとり、カビを防ぐこと
  • 害虫がつかないようにすること
  • 着物の点検をすること

の3つです。

虫干しは、年に3回(最低でも年に1回)は実施した方が良いでしょう。
7月下旬~8月下旬・10月下旬~11月下旬・1月下旬~2月下旬の3回がおすすめです。

また、虫干しは湿気をとる目的で行うので、雨の日や曇りの日に行うのは適しません。
晴天が2日以上続いている日の10:00~15:00をおすすめします。

■虫干しのやり方

  • 直射日光が当たらない場所に敷き紙を敷き、たとう紙から着物を出す。たとう紙に変色がないか点検する
  • 着物ブラシでブラッシングするか、ハンカチで埃などを取り除き汚れがないか点検する
  • 裏返して衣紋掛けか着物ハンガーに掛け、2~3時間干す。重量のある着物は完全に吊り下げて干すと型崩れが起きる場合があるので、着物の裾は床につくようにする
  • 敷き紙の上で着物を畳み、たとう紙に入れてしまう。たとう紙に変色があった場合は新しいたとう紙に包む

虫干しは着物のお手入れとして大事な行為なので、しっかり行うとよいでしょう。

着物を補完・収納するときの注意点1【重ねすぎないこと】

着物をたくさん持っている場合はついつい重ねてしまいすぎてしまいますが、着物を箪笥に詰め込むのは型崩れやシワの原因になります。
1枚1枚たとう紙にきちんと包んで、1つの引き出しに入れるのは5枚くらいまでにしておくと型崩れやシワを防げます。

着物を保管・収納するときの注意点2【着物の付属品は一緒に入れない】

着物用のベルトなど、ゴムを使った小物類は化学変化によって金・銀製品を黒く変色させてしまう場合があります。
また、小物は着物と一緒にしまうことで、着物にシワを付けてしまう原因にもなります。
小物類は着物や帯とは別に収納した方が無難でしょう。

着物を保管・収納するときの注意点3【ウールや革素材の衣類とは別に保管】

ウールや革素材は虫がつきやすく、絹の着物と一緒にしまっておくと、ウールや革についた虫が絹の着物にも被害を及ぼす危険性があります。
大切な着物がすべて台無しになってしまわないためにも、同じ箪笥でも生地によって引き出しを分けるなどの注意が必要です。

着物は上手に保管・収納しておいた方が高値で売れる可能性が大きい

着物が不要になったときは買取に出すことも多いですが、シミやカビがあると査定額が正規の買取相場よりも低くなってしまいます。

訪問着や振袖の場合、本来であれば数千円~数万円で売れるところが、シミやカビがあるというだけで数百円にまで値が落ちることもあります。
場合によっては値段がつかない(買取不可)場合も…。

不要になったときに少しでも高く売れるように、普段から着物の保管方法には気を遣っておいた方がいいですね。